この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
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そして――、数時間後。
日はやや沈みかけ、夜の帳が次第に空を覆ってきている頃だった。王城のパーティーホールには、既に大勢の王侯貴族が集まって、思い思いに会話を楽しんでいる。
パーティー前のざわめきを控え室で聞きながら、ローデリヒは己の父親と向き合っていた。
あまり着飾るのは得意ではないローデリヒは、暗い色のジュストコールにシンプルな装飾品を身に付けている。
以前にイーヴォから、元の素材が良すぎて飾らない方が魅力的だと言われたが、男にそんな褒められ方をされても微妙に気持ち悪いだけだったが。
対する国王は、その地位に相応しい程の宝石を身に付けていた。全ての指に装飾品を付けている程ではないが、ローデリヒと並ぶとその数は格段に多い。ベルベット地の赤色のマントに、数多くの宝石が付けられた王冠も相まって、派手であった。
隣りにハイデマリーという、二十代にしか見えない派手な女を侍らせているせいで、どこからどう見ても好色デブジジイである。隠し子の噂も真実ではないかと納得出来る見た目になっていた。
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そして――、数時間後。
日はやや沈みかけ、夜の帳が次第に空を覆ってきている頃だった。王城のパーティーホールには、既に大勢の王侯貴族が集まって、思い思いに会話を楽しんでいる。
パーティー前のざわめきを控え室で聞きながら、ローデリヒは己の父親と向き合っていた。
あまり着飾るのは得意ではないローデリヒは、暗い色のジュストコールにシンプルな装飾品を身に付けている。
以前にイーヴォから、元の素材が良すぎて飾らない方が魅力的だと言われたが、男にそんな褒められ方をされても微妙に気持ち悪いだけだったが。
対する国王は、その地位に相応しい程の宝石を身に付けていた。全ての指に装飾品を付けている程ではないが、ローデリヒと並ぶとその数は格段に多い。ベルベット地の赤色のマントに、数多くの宝石が付けられた王冠も相まって、派手であった。
隣りにハイデマリーという、二十代にしか見えない派手な女を侍らせているせいで、どこからどう見ても好色デブジジイである。隠し子の噂も真実ではないかと納得出来る見た目になっていた。