この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「最近、陛下に隠し子疑惑が出ているそうですが……」
無言でソファーに座るローデリヒは目を瞑った。少しでも体の疲れを取りたかった。
そんなローデリヒの事はスルーして、ハイデマリーが国王に問いかける。とても気がかりだとでもいうように、甘えるようにしなだれかかった。国王は慌てて手を振った。鼻の下が伸びている。
「だ、大丈夫じゃ!隠し子なんておらぬ!」
「本当ですか?」
「身に覚えが無さすぎる!」
やや目を細めたハイデマリーだったが、国王の必死の否定にようやく納得したような顔をする。そして、ハイデマリーはローデリヒへとターゲットを変えた。
「そういえば襲撃があった時からアリサ様を見ていないのだけれど、アリサ様は無事?」
流石に自分の妻のことを話題に出され、ローデリヒは目を開けた。ハイデマリーの黒目がちな瞳と目が合う。
「……ああ。無事だ」
端的に返したローデリヒに、ハイデマリーはますます笑みを浮かべる。
「よかったわ。心配になってしまって……、だってアリサ様は今一人のお体ではないもの」
その言葉に、ローデリヒの目は大きく見開かれた。
安定期ではないから、正式にはまだ……あと少し先まで伏せておく予定だったのに。
無言でソファーに座るローデリヒは目を瞑った。少しでも体の疲れを取りたかった。
そんなローデリヒの事はスルーして、ハイデマリーが国王に問いかける。とても気がかりだとでもいうように、甘えるようにしなだれかかった。国王は慌てて手を振った。鼻の下が伸びている。
「だ、大丈夫じゃ!隠し子なんておらぬ!」
「本当ですか?」
「身に覚えが無さすぎる!」
やや目を細めたハイデマリーだったが、国王の必死の否定にようやく納得したような顔をする。そして、ハイデマリーはローデリヒへとターゲットを変えた。
「そういえば襲撃があった時からアリサ様を見ていないのだけれど、アリサ様は無事?」
流石に自分の妻のことを話題に出され、ローデリヒは目を開けた。ハイデマリーの黒目がちな瞳と目が合う。
「……ああ。無事だ」
端的に返したローデリヒに、ハイデマリーはますます笑みを浮かべる。
「よかったわ。心配になってしまって……、だってアリサ様は今一人のお体ではないもの」
その言葉に、ローデリヒの目は大きく見開かれた。
安定期ではないから、正式にはまだ……あと少し先まで伏せておく予定だったのに。