この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
 言われてる事の意図が全く掴めなかったのだけれど、大人しく言われた通りにする。ローデリヒさんが私の両手のひらを翳した。

 何もない所から、いきなり光が集まり始める。小さな蛍のような淡い光が集まって、ピンポン玉位の大きさの光が私の手のひらの上に現れた。ふわふわと浮かんでいる。

 LED電球位の光を放っているけど、形はどう見ても火の玉です。膝が恐怖で笑ってます。


「これなら暗くないだろう」

「ゆ、ゆゆ、ゆうれ……」


 真顔で言ったローデリヒさんにブルブル震えながら言ったけれど、ローデリヒさんは眉をひそめた。


「それは魔法だ。初歩の《ライト》という魔法。第一、ゴーストやスケルトンはこの屋敷の敷地内には入ってこれない。魔物避けの結界が張ってあるからな」

「えっ、ゴースト?!存在しているんですか?!」

「当たり前だ……」


 マジか、ローデリヒさんオカルト信じてるタイプだったのか……。



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