この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
ジギスムントさんは簡単にローデリヒ様を診察する。流石に診察途中では離されたけど、終わった途端また手を繋がれた。
え、これは何……。
「まあ、媚薬を盛られたらしいですからな。まだ抜けてないのでしょう。もうそろそろ抜けるとは思いますが」
「は?」
「媚薬?!」
え、この世界って媚薬があるの?!
「一種の興奮剤です。高価なので一般的にはあまり出回ってはいませぬが、貴族の間では娯楽物として流通しているのです。健康な人間が服用しても問題はありませぬ。ローデリヒ殿下の場合、最近寝不足気味でいらしたので、体に負担がかかったのでしょう。おそらく急激に血圧が上がって、眩暈を起こして気分が悪くなられたのかと。血管にストレスが掛かった状態なので、一歩間違えれば、命の危険がありましたぞ」
「あ、あれ……?むしろローデリヒ様の自作の薬は?」
「……気休め程度のものですが、血管を広げるものです」
それって……、逆によかったのでは?
「だから言っただろう?危ない物ではない、と」
難しい顔をして偉そうに言い放ったけど、何故かローデリヒ様が私の手をスリスリと撫でてくる。
待って、これって……。
「……まさか、これ媚薬の効果です?」
「そうでしょうな」
ジギスムントさんが頷いたけど、ローデリヒ様はあまり認めたくないのかもしれないらしく、目元を覆った。
え、これは何……。
「まあ、媚薬を盛られたらしいですからな。まだ抜けてないのでしょう。もうそろそろ抜けるとは思いますが」
「は?」
「媚薬?!」
え、この世界って媚薬があるの?!
「一種の興奮剤です。高価なので一般的にはあまり出回ってはいませぬが、貴族の間では娯楽物として流通しているのです。健康な人間が服用しても問題はありませぬ。ローデリヒ殿下の場合、最近寝不足気味でいらしたので、体に負担がかかったのでしょう。おそらく急激に血圧が上がって、眩暈を起こして気分が悪くなられたのかと。血管にストレスが掛かった状態なので、一歩間違えれば、命の危険がありましたぞ」
「あ、あれ……?むしろローデリヒ様の自作の薬は?」
「……気休め程度のものですが、血管を広げるものです」
それって……、逆によかったのでは?
「だから言っただろう?危ない物ではない、と」
難しい顔をして偉そうに言い放ったけど、何故かローデリヒ様が私の手をスリスリと撫でてくる。
待って、これって……。
「……まさか、これ媚薬の効果です?」
「そうでしょうな」
ジギスムントさんが頷いたけど、ローデリヒ様はあまり認めたくないのかもしれないらしく、目元を覆った。