この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「ディートヘルム様からもアロイスについて聞いているわ。お勉強も頑張っているのね」
「はい」
スプーンを口に運びながら、べティーナの話もそこそこに食べる事に集中する。大きな具材をモグ……と頬張っていた。
急にローデリヒの腹が熱を持つ。体が勝手にえづいて、慌ててローデリヒは顔を背けて口元を手で覆う。
「アロイス?!」
無理矢理口の中にあったものを飲み込んで、ローデリヒは一息ついた。ローデリヒの異変を感じ取ったべティーナが駆け寄って、顔を覗き込んだ。
大丈夫だと、言おうとした。相変わらず腹は熱を持っている。息が詰まった。胃がしゃくり上げるように動く。
「ゲホ……ッ」
無意識に覆った口元からは、鈍い音と共に赤い液体が滴り落ちる。呆然と手のひらを見るとベッタリとついている。
すぐ側で甲高い悲鳴が上がった。周囲がバタバタと慌ただしくなる。まだ腹が熱い。腹部の服を、指が白くなるまで握り締める。
「……い、……た……」
熱い。息がしづらい。苦しかった。
「はい」
スプーンを口に運びながら、べティーナの話もそこそこに食べる事に集中する。大きな具材をモグ……と頬張っていた。
急にローデリヒの腹が熱を持つ。体が勝手にえづいて、慌ててローデリヒは顔を背けて口元を手で覆う。
「アロイス?!」
無理矢理口の中にあったものを飲み込んで、ローデリヒは一息ついた。ローデリヒの異変を感じ取ったべティーナが駆け寄って、顔を覗き込んだ。
大丈夫だと、言おうとした。相変わらず腹は熱を持っている。息が詰まった。胃がしゃくり上げるように動く。
「ゲホ……ッ」
無意識に覆った口元からは、鈍い音と共に赤い液体が滴り落ちる。呆然と手のひらを見るとベッタリとついている。
すぐ側で甲高い悲鳴が上がった。周囲がバタバタと慌ただしくなる。まだ腹が熱い。腹部の服を、指が白くなるまで握り締める。
「……い、……た……」
熱い。息がしづらい。苦しかった。