この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
清々しいくらいの即答だった。「いえ、ちょっと気になったので……」と言葉を濁しながら、娼館の方を利用してたのか……?と推測を立てる。
「……逆に聞くが、アリサはいたのか?」
「え、いたことないですよそんなの。それどころじゃなかったですし……」
前世は女子高生までしか生きてなかったし、今世はそれどころじゃなかったし。彼氏いた事ないんだよね……、旦那はいるけど。
「そうか」
聞いた割にはあんまり興味が無さそうな返答が返ってくる。だけど、ローデリヒ様の眉間の皺が無くなっていた。……ん?ちょっと機嫌が良い……のか?
なんかアッサリと終わってしまったが、ローデリヒ様とまともな恋バナをしたのは初めてかもしれない。お互い恋人いた事がないという、話題のネタすらなかったけど。
振動が少なくなる魔道具に結界やら、何やらを取り付けられた馬車に揺られながら、アーベルはすぐにお昼寝を始めてしまった。まだまだ起きる気配がない。ローデリヒ様がずっとアーベルに膝を提供している状態だけど、やはり痺れているのかこっそり回復魔法を使っていた。ローデリヒ様の魔法の能力って本当に便利なの多いよね。私の能力だってレア物なのに、なんでこんなに不便なのかな。
ローちゃんは私とローデリヒ様、アーベルと向かいの座面を一匹で使用していた。なんて贅沢な……。
「……逆に聞くが、アリサはいたのか?」
「え、いたことないですよそんなの。それどころじゃなかったですし……」
前世は女子高生までしか生きてなかったし、今世はそれどころじゃなかったし。彼氏いた事ないんだよね……、旦那はいるけど。
「そうか」
聞いた割にはあんまり興味が無さそうな返答が返ってくる。だけど、ローデリヒ様の眉間の皺が無くなっていた。……ん?ちょっと機嫌が良い……のか?
なんかアッサリと終わってしまったが、ローデリヒ様とまともな恋バナをしたのは初めてかもしれない。お互い恋人いた事がないという、話題のネタすらなかったけど。
振動が少なくなる魔道具に結界やら、何やらを取り付けられた馬車に揺られながら、アーベルはすぐにお昼寝を始めてしまった。まだまだ起きる気配がない。ローデリヒ様がずっとアーベルに膝を提供している状態だけど、やはり痺れているのかこっそり回復魔法を使っていた。ローデリヒ様の魔法の能力って本当に便利なの多いよね。私の能力だってレア物なのに、なんでこんなに不便なのかな。
ローちゃんは私とローデリヒ様、アーベルと向かいの座面を一匹で使用していた。なんて贅沢な……。