この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
ローデリヒ様はそんな状況を分かっているのか、いないのか。通常モードで頷いた。もう本当にいつも通りの愛想の欠けらも無い顔で。
「分かった。――ただ」
「……ただ?」
「妻が身重だ。早く休ませたいから手短にしてくれ」
「はっ、はい、かしこまりました……」
私達は詰所まで連行された。
「――これにて、聴取は以上になります。
お時間をいただきありがとうございます。それではどうぞごゆっくりお過ごしください。街道はともかく、このココシュカの街中は治安が良いので安心してご滞在出来るかと」
ローデリヒ様と私の目撃証言を書面に纏めた兵士さんが、緊張した面持ちで頭を下げる。ちょっと萎縮してるところもあるのかな。私はほとんど話していない。ローデリヒ様がほとんど適当な目撃証言をしていた。非常に捜査のためにならない気がしている。
でも、思ったよりも不審者扱いされなかった。
「ああ、治安が良いのは知っている。ありがとう」
「分かった。――ただ」
「……ただ?」
「妻が身重だ。早く休ませたいから手短にしてくれ」
「はっ、はい、かしこまりました……」
私達は詰所まで連行された。
「――これにて、聴取は以上になります。
お時間をいただきありがとうございます。それではどうぞごゆっくりお過ごしください。街道はともかく、このココシュカの街中は治安が良いので安心してご滞在出来るかと」
ローデリヒ様と私の目撃証言を書面に纏めた兵士さんが、緊張した面持ちで頭を下げる。ちょっと萎縮してるところもあるのかな。私はほとんど話していない。ローデリヒ様がほとんど適当な目撃証言をしていた。非常に捜査のためにならない気がしている。
でも、思ったよりも不審者扱いされなかった。
「ああ、治安が良いのは知っている。ありがとう」