この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
贅肉に食い込む縄に気を取られ、国王はモゾモゾと体を動かしながらエーレンフリートに問い掛ける。
「……取り敢えず、これはどういう事なんじゃ?」
「見てわかんねぇ?オレは後宮を占拠したの」
「いやさすがにそれは馬鹿でも分かることじゃが……」
後ろ手に縛られていたはずが、モゾモゾと体を動かしたせいで何故か亀甲縛りになった国王が呆れたように目を細めた。
「ワシは、何故お主がこんな事をしたのか、と聞いておるのじゃ」
「何故こんな事をした……ねぇ?」
組んだ足の上に頬杖をついて、エーレンフリートはやや考え込む。しばしの間、拘束された人々は固唾を飲んで状況の行方を見守っていた。やがて、エーレンフリートは重々しく口を開く。
「まあ、何となく分かってるんじゃね〜の?アンタなら」
酷く詰まらなさそうに、投げやりに国王に質問し返した。国王は少しだけ目を見張る。
「……何となくは分かるのじゃが、動機がさっぱりでのう」
「へぇ?」
正直に答えた国王に、唇を吊り上げてエーレンフリートは首を傾げた。
「……取り敢えず、これはどういう事なんじゃ?」
「見てわかんねぇ?オレは後宮を占拠したの」
「いやさすがにそれは馬鹿でも分かることじゃが……」
後ろ手に縛られていたはずが、モゾモゾと体を動かしたせいで何故か亀甲縛りになった国王が呆れたように目を細めた。
「ワシは、何故お主がこんな事をしたのか、と聞いておるのじゃ」
「何故こんな事をした……ねぇ?」
組んだ足の上に頬杖をついて、エーレンフリートはやや考え込む。しばしの間、拘束された人々は固唾を飲んで状況の行方を見守っていた。やがて、エーレンフリートは重々しく口を開く。
「まあ、何となく分かってるんじゃね〜の?アンタなら」
酷く詰まらなさそうに、投げやりに国王に質問し返した。国王は少しだけ目を見張る。
「……何となくは分かるのじゃが、動機がさっぱりでのう」
「へぇ?」
正直に答えた国王に、唇を吊り上げてエーレンフリートは首を傾げた。