この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「ま〜、別にそんなに深い動機なんてねぇかな〜。強いて言うなら、気になった。それだけ」
本当に気軽に、大したことでもないように、エーレンフリートは続ける。
「べっつにぃ〜、オレはキルシュライト王家に特段思い入れもねーし?ま〜、ローデリヒは良い奴だけどさぁ?どっちかと言うと、キルシュライト王家の血筋である事が好きじゃねぇんだわ」
国王は思わず息を飲んだ。軽くて軟派な優男のような風貌、行動のエーレンフリートらしくはない。先程から吐き捨てるように、言葉尻が荒々しい。
思い当たる節があるからこそ、何も言えなかった。
「こんな歳まで生き長らえちゃったけどさ〜。こんな体だったからこそ、気付かされる事が多かったワケ」
先祖返り。魔力の多さは直系王族並み。血は薄まっているが、キルシュライト王家の分家、ヴォイルシュ公爵家の出身。
ありとあらゆる言葉で、エーレンフリートは褒め讃えられてきた。それはエーレンフリートの事をよく知らない人間が吐いた無責任な言葉だった。
近しい者程、エーレンフリートを憐れむ。
本当に気軽に、大したことでもないように、エーレンフリートは続ける。
「べっつにぃ〜、オレはキルシュライト王家に特段思い入れもねーし?ま〜、ローデリヒは良い奴だけどさぁ?どっちかと言うと、キルシュライト王家の血筋である事が好きじゃねぇんだわ」
国王は思わず息を飲んだ。軽くて軟派な優男のような風貌、行動のエーレンフリートらしくはない。先程から吐き捨てるように、言葉尻が荒々しい。
思い当たる節があるからこそ、何も言えなかった。
「こんな歳まで生き長らえちゃったけどさ〜。こんな体だったからこそ、気付かされる事が多かったワケ」
先祖返り。魔力の多さは直系王族並み。血は薄まっているが、キルシュライト王家の分家、ヴォイルシュ公爵家の出身。
ありとあらゆる言葉で、エーレンフリートは褒め讃えられてきた。それはエーレンフリートの事をよく知らない人間が吐いた無責任な言葉だった。
近しい者程、エーレンフリートを憐れむ。