この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「……さて、これからだが、元々イーヴォ達とはぐれても落ち合う約束はしている。目立ってしまっている以上、動きたくはあるが……難しそうならハイデマリー殿をここに残して、一旦私がイーヴォ達を連れて来る手もあるのだが……」

 今度はローデリヒ様がハイデマリー様をチラリ、と見る。複雑そうな表情のまま続けた。

「護衛に関しては裏からもいるのだが……、その、パッと見女性と子供だけを残して行くのも悩みどころでな……」
「あら、ではわたくしがイーヴォと会えば良いのではなくて?」
「ハイデマリー殿、貴女さっきまで迷子になって不審者扱いされて連行されていましたよね?」

 ローデリヒ様がこの人何言っているんだ?みたいな顔になっているのだけれど、力業でゴリ押ししてココシュカの街に入った彼も似たり寄ったりだと思う。

「……あの、ローデリヒ様はどっちの方がいいと思いますか?」
「私は……、アリサ達はここに残っておいた方が良いとは思っている。私だけなら転移で移動出来る」
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