この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「じゃあ、ヴァーレリーちゃんでいいですか?」

「ヴァーレリーちゃん?……あ、いえ、それで大丈夫です」


 自分で言ってなんだけど、よくヴァーレリーちゃん呼び許可してくれたね。


「えっと、ローデリヒさんの命令……って」

「はい。ローデリヒ殿下から奥方様のお傍に侍るようにとのご命令を賜っております。あと、魔法についての説明をするようにとも。記憶の件については、イーヴォーーローデリヒ殿下の護衛騎士共に伺っております」

「魔法?!」


 あの昨日の火の玉か!



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 さっそくヴァーレリーちゃんと中庭に出る。実はまだ中庭は窓からしか見た事がなかった。
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