この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「それで、この後の方針……といきたい所じゃが……。なんでワシも危険に晒されたのに、ローデリヒの話の中に入ってないんじゃ?ワシ泣いちゃう」
「父上はしぶとく生きそうなので。そんな事より話を進めて下さい」
「そんな事より?!」
ローデリヒ様にバッサリ切られ、ぶつぶつと文句を言いながら国王様は渋々話を進める。
「王城ではエーレンフリートが反乱を起こしたのじゃ……。悪い奴ではなかったがのぅ……。あやつも不憫な奴じゃった」
「え?!エーレンフリート様が?!」
「そうじゃ」
あのチャラそうな、ローデリヒ様の親戚が?!まだ若そうじゃなかったっけ……?私自身はそんなに仲良くもなかったけれど。
関わりの深かったはずのローデリヒ様は知っていたのか、リアクションは特になかった。
「まあワシ強いし?エーレンフリートみたいな若造ボッコボコにしてやったわい。ワシ強いし」
国王様が胸を張って語るんだけど、どうしよう、深刻さがない。国家反逆罪なはずなのに。子供同士の喧嘩してきたみたいな雰囲気なんだけど。
「処刑も考えたが……アレでも貴重な王族で、強力な光の属性持ちだ。辺境の地に監視付きで飛ばす予定じゃ。二度と辺境から移動させず、防衛を担ってもらおうと思う」
「……まあ、妥当ですね」