この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「父上、アーベルの時もそんな感じでしたね」
「ぐすっ、うぅ、当たり前じゃ……。それはそうと、名前は決まったのか?幾つか候補は出していたのじゃろ?」
鼻をズビズビとかみながら国王様から問い掛けられて、私とローデリヒ様は思わず顔を見合せた。
そうなのだ。私達はすっかり女の子が生まれるとばかり思っていたので――、女の子用の名前の候補しか考えていない。
「父上、実は王女が生まれるとばかり思っていたのですが、王子だったので考え直そうかと」
「…………は?」
私達と同じく、16歳のアーベルの言葉を信じていたらしい国王様は、驚きで涙を引っ込めた。
「つまり……、お主らの所にはまだ子供が生まれるという……?え……、百発百中とか言ってからかっておったが、3人以上生まれると……?むしろ百発百中だから3人よりも多い可能性があるという事じゃな?!」
ちらり、とローデリヒ様を伺う。ローデリヒ様も同じ事を思ったのか、私と目が合った。
「いや、あのですね父上。ちょっとその辺りはアリサとまた追々話し合おうとは思っていますが、」
「は?!ワシなんて種無しとか言われてたのじゃが?!ワシの努力は一体……?!」
「お願いですから話を聞いてください!」
「ぐすっ、うぅ、当たり前じゃ……。それはそうと、名前は決まったのか?幾つか候補は出していたのじゃろ?」
鼻をズビズビとかみながら国王様から問い掛けられて、私とローデリヒ様は思わず顔を見合せた。
そうなのだ。私達はすっかり女の子が生まれるとばかり思っていたので――、女の子用の名前の候補しか考えていない。
「父上、実は王女が生まれるとばかり思っていたのですが、王子だったので考え直そうかと」
「…………は?」
私達と同じく、16歳のアーベルの言葉を信じていたらしい国王様は、驚きで涙を引っ込めた。
「つまり……、お主らの所にはまだ子供が生まれるという……?え……、百発百中とか言ってからかっておったが、3人以上生まれると……?むしろ百発百中だから3人よりも多い可能性があるという事じゃな?!」
ちらり、とローデリヒ様を伺う。ローデリヒ様も同じ事を思ったのか、私と目が合った。
「いや、あのですね父上。ちょっとその辺りはアリサとまた追々話し合おうとは思っていますが、」
「は?!ワシなんて種無しとか言われてたのじゃが?!ワシの努力は一体……?!」
「お願いですから話を聞いてください!」