この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
 ポツリと呟いた言葉を拾ったヴァーレリーちゃんは首を傾げていたが、そのまま続きを話す。


「魔力は属性というものを帯びていて、その力でその人の使える魔法が違います。
 例えば先程使った《魔灯(ライト)》。これは光属性を持つ人のみが使えて、光属性を持たない人は使えません。
 属性は一属性しかない人もいれば、複数属性を持つ人もいます。時には珍しい属性や、魔物でしか確認されていない属性もあり、その数は理論上では無限にあると言われているんです」

「えっと、持ってる属性と使いたい魔法の属性が合っていれば、その魔法が使えるってこと?」

「そうですね。そのように捉えていただければ」


 私の言葉に頷いたヴァーレリーちゃんは、次は妊婦についてですが、と前置きをした。


「妊娠中は胎児の身体が魔力で作られています。母親の魔力を使っているので、母親の体の変調が起こるのです。
 なので、妊娠中は基本的には魔力を使わないようにしてください。ただでさえ、常に魔力を使っているようなものです」
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