この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
 ファンタジーだと思ったのに、まさかの魔法使えない宣言。とても悲しい。


「お腹に妊娠の証が出ておられると伺っているのですが、あれは母親の魔力がスムーズに胎児へと行けるようにする為の身体の反応なのです」

「へ、へえ……、そんな意味が……」


 見栄えよくないとか思ってごめん。
 なんか臍の緒みたいな役割なのかな?


「ちなみに妊娠の証の色は、その人が持つ属性の中で一番持っている割合の多い属性です。奥方様は何色でしたか?」

「ピンク色だったかな」

「その色は精神属性ですね。かなり珍しい属性です。一カ国に一人いるかいないか、といった所でしょうか」

「せいしんぞくせい?」


 オウム返ししか出来なかったけど、ヴァーレリーちゃんは詳しく解説してくれた。


「ええ。人の精神に干渉出来る属性です。魔法の種類はあまり多くないのですが、人に対して好印象を与えるように操作したり、人にトラウマを植え付けたり出来るそうです」

「怖っ!!」
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