この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
高い体温と子供特有の匂いが伝わってくる。すごく機嫌よくキャッキャとはしゃぐアーベルくんは、ペタペタと私の頬を触る。
その様子を見ていたシンプルなドレスを着たお姉さんは、しゃがんで私に挨拶をしてきた。
「おはようございます、奥方様。私はイーナと申します。記憶の件については、ゼルマ様から伺っております。ご無理をなさらず、お大事になさってください」
「ありがとうございます。イーナさん」
お団子にした栗色の髪。紫色の瞳が優しい色をして私とアーベルくんを映した。
「アーベル様も奥方様に会えて大層喜んでいらっしゃいます。……ですよね?アーベル様」
「あうー」
アーベルくんなんか言っているようだけど、全然分からない。分からないけど、とにかく可愛い。
すぐに興味が違う事に移ったのか、今度はローちゃんを見つけて指さした。
「にゃんにゃん!」
「そうだね〜。にゃんにゃんだね……ってちょ、えっ、私もついて行く感じ?!」
服を引っ張られて、アーベルくんについて行く。
この日はアーベルくんが疲れきって寝ちゃうまで、散々振り回された。胸はキュンキュンしっぱなしだった。
ちなみにマイペースそうなローちゃんもめちゃくちゃにされていた。
赤ちゃん意外と体力あるのね……。
その様子を見ていたシンプルなドレスを着たお姉さんは、しゃがんで私に挨拶をしてきた。
「おはようございます、奥方様。私はイーナと申します。記憶の件については、ゼルマ様から伺っております。ご無理をなさらず、お大事になさってください」
「ありがとうございます。イーナさん」
お団子にした栗色の髪。紫色の瞳が優しい色をして私とアーベルくんを映した。
「アーベル様も奥方様に会えて大層喜んでいらっしゃいます。……ですよね?アーベル様」
「あうー」
アーベルくんなんか言っているようだけど、全然分からない。分からないけど、とにかく可愛い。
すぐに興味が違う事に移ったのか、今度はローちゃんを見つけて指さした。
「にゃんにゃん!」
「そうだね〜。にゃんにゃんだね……ってちょ、えっ、私もついて行く感じ?!」
服を引っ張られて、アーベルくんについて行く。
この日はアーベルくんが疲れきって寝ちゃうまで、散々振り回された。胸はキュンキュンしっぱなしだった。
ちなみにマイペースそうなローちゃんもめちゃくちゃにされていた。
赤ちゃん意外と体力あるのね……。