この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
妻が豹変した。(ローデリヒ)
何やら奇っ怪な事になった、とローデリヒ・アロイス・キルシュライトは頭を抱えた。
月光のような金の髪に穏やかな海の色の瞳。鼻筋は通っていて、白い肌はシミ一つない。まるでおとぎ話の王子様を体現したかのような容姿は、国内外問わず持て囃される。
まだ十九歳という若い彼には、重大な悩み事があった。
正妻であるアリサ・セシリア・キルシュライト。
結婚三年目にして、一つ年下の彼女がよく分からない。
結婚当初から夫婦仲は冷え切っていた。
それはもう永久凍土並に。
一応政略結婚だから、恋愛結婚と比べて熱々ではないだろうなとはローデリヒ自身も思ってはいたが、ここまで酷いとは予測していなかった。
月光のような金の髪に穏やかな海の色の瞳。鼻筋は通っていて、白い肌はシミ一つない。まるでおとぎ話の王子様を体現したかのような容姿は、国内外問わず持て囃される。
まだ十九歳という若い彼には、重大な悩み事があった。
正妻であるアリサ・セシリア・キルシュライト。
結婚三年目にして、一つ年下の彼女がよく分からない。
結婚当初から夫婦仲は冷え切っていた。
それはもう永久凍土並に。
一応政略結婚だから、恋愛結婚と比べて熱々ではないだろうなとはローデリヒ自身も思ってはいたが、ここまで酷いとは予測していなかった。