ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「だっ、大丈夫じゃないっ。想のお母さんが言ってたことは聞き流していいやつ! 気にしないのが一番なやつ!」
「……そういうもん?」
「そういうもんそういうもん!」
強く念を押すように言葉を重ねられた。
そうか。そういうもんなのか。
「そっ、そういえば里宇ちゃん、いないと思ったら剣友会の日だったんだね」
「うん。あいつ、剣道大好きだから」
僕らがいた中学では、学校の部活メンバーだけでなく、地域の子どもからお年寄りまで集まって剣道をする日がある。
それが剣友会で、月に一回の日曜日と、隔週の金曜日だ。
里宇は小学生の頃から中学校の剣友会に参加していて、そのまま剣道部に入った。
「里宇ちゃんすごいなあ。あっ、志望校うちにしてくれてるんだって?」