ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】

「あいつが話したの?」

「うん。この前電話して――」

「美結。あのバカから電話来ても出なくていいから。そもそも着信拒否してて」

「えっ、いや、私からかけたんだよ?」

「……美結、俺よりあれと話す方が楽しいの?」

僕が美結から電話をもらえるなんて、この一年で一、二回あったかどうかってくらいだ。

それなのになんであれとは普通に電話のやり取りを?

「はっ、話してて楽しいのはもちろん想だけど……」

「だけど?」

「……里宇ちゃんに、その、今想に連絡しても大丈夫かな、とか、訊きたくて……」

「? なんで里宇に訊く?」

「だって想が勉強中とかに連絡しちゃったら、その返事に時間割いてくれるから……出来るだけ、勉強してる時間以外にしようと思って……」

「………」

k(∞

テーブルに乗っていた美結の手を握った。

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