ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
いや、僕が言っているのはそこではないような……。
ま、いっか。せっかくの美結と二人きりだ。
美結の部屋に入るのは当然のように初めてではないけど、彼女の部屋に入るのは初めてだ。ドキドキするってもんだ。
「ね、美結」
「なに⁉ 私の片想い歴が小一からとかいう話なら無理だよ!」
え。
一瞬本気で呆気に取られた僕を見て、美結は真っ赤になってしゃがみ込んだ。
「あああああ、私はなんでいつも自分からそういうことを……!」
「美結、美結」
僕も美結の隣にしゃがむ。
「……なに?」
「抱きしめていい?」