ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「想……」
「うん」
美結が優しく目元をゆるめる。
あ、なんかいいな……この穏やかな空気―――
「想! 想が来てるって⁉」
バンッと、美結の部屋の扉が壊さん勢いで開け放たれた。そこにいたのは、
「兄さん」
「お兄ちゃん⁉」
美結の兄の、結人(ゆいと)さんだった。
兄さんは肩で息をしていて、僕を見るなり涙ぐんで飛びついてきた。
「わーっ、僕の想が帰って来たーっ! 僕の想が戻ってきたよ~っ!」
「ちょ、兄さんどうした」
いきなりナゾなことを言われて、僕は戸惑うしかない。
てか僕は兄さんのになった憶えはないんだけど。