ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「玲奈っ? おはよっ。え、どうしたの? 玲奈にしては遅いね?」
美結が新垣に声をかけると、新垣は明らかに覇気のない顔で美結を見返した。
「おはよ、美結」
そう口にするのと同時に、無理やりといった笑顔を浮かべた。
「……玲奈? なんか元気ないね?」
「そんなことないよ?」
新垣は美結と並んで歩いて、普通を装っているけど、美結ほど新垣と一緒にいない俺でもわかるほど、新垣は憔悴していた。
新垣の異変はそれだけではなかった。
「玲奈、次一緒に――」
「あっ、美結とも一緒に行くことになってるんだ」
「玲奈、メシ――」
「ごめん尚、今日は女子だけでっ」
……明らかに、尚を避け始めた。
え、修羅場になるの?