ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】

「……あ、持ってた!」

「そんでもし会話に出て来てたらなんだけど、俺のことは『想』って呼んでなかった?」

「呼んでた! 知ってる人なのっ?」

やっぱあいつか……。

「玲奈、たぶんそれ、里宇ちゃんだと思う……」

「りうちゃん? 尚のこと好きな子なのっ?」

「いや、そういうのは……」

「美結っ。隠さないで教えてっ。私には一大事だから……っ」

新垣に両肩を摑まれて、美結が困った顔で見上げて来た。

うん、あいつのことは僕から話すのが筋だと、僕も思う。

「新垣。誤解させて申し訳ないんだけど、そいつは俺の弟だ」

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