ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「美結、着替え持って来たから、開けても大丈夫?」
「あっ、うん! 大丈夫っ」
声はこもって聞こえるから、まだ風呂場にいるようだ。
僕は洗面台に服を置いて、「髪も乾かしてくるんだよ」と念を押してから脱衣所を出た。
……今更だけど、今、どういう状況?
と考えようとしたけど、僕が噴火することになりそうなので、これ以上の思考は封じた。
ししとう……あ、違った。心頭滅却? よし、滅却だ。
美結が困っている。現状は、それだけだ。
少しして、美結がリビングに顔をのぞかせた。
ソファにいた僕はすっ飛んでいく。
「美結、ちょっといい?」
「え? うん」
返事を待ってから抱きしめた。
「そっ……」