ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「二人だけで話した方がいいかな? 想、部屋行くんだったらあんたの分もお茶、持って行きな」
「ありがと」
母さんに言われて、僕は盆に美結と僕の茶器と、母さんが用意してくれた茶菓子を載せた。
「美結。目ぇ真赤。俺の部屋で冷やしながら少し横になりな?」
冷凍庫から出した保冷材と、ハンカチも一緒に載せて、二階の僕の部屋に向かう。
美結は終始黙って、うつむいていた。
「おいし……」
「ん。よかった」
ベッドに並んで座って、母さんが淹れてくれた紅茶のマグカップを両手に包んでいる美結。
母さんの紅茶は僕には甘すぎるんだけど、今は美結と同じものを飲んでいる魅力に負けて、同じものを持って来た。
僕も一口。
……やっぱ無駄に甘い。砂糖入れ過ぎだよ……。
「あの、本当ごめん……」