ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「美結、ごめんね、急にこんな話しちゃって……大丈夫? 風邪ひいてない?」
「大丈夫。私こそ、家を飛び出してごめんなさい」
美結は、凛とした声でそう言った。
「いいのよ……」
美結を抱きしめたおばさんから、押し殺した泣き声がかすかに聞こえた。
「美結」
お父さんが、美結のそばまでやってきた。
「ごめんなさい。心配、かけて……」
「ううん。よかった。ちゃんと帰って来てくれて……。怪我とか、してないか?」
「うん。その……想が、すぐに来てくれて……」
美結が僕の方を見ると、おじさんの目線も僕に向いた。