ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「想くん……ありがとう」
「いいえ。俺はなにも」
美結は、自分で自分を立て直したんだ。
まだ折れるわけにはいかないと、決心出来るほどまで。
「じゃあ、俺は帰りますね。明日の朝、また美結を迎えに来ます」
「うん、想くん、ありがとうね……」
おばさんは、鼻をすすりながらそう言ってくれた。
「美結。また明日」
「うん。想、ありがとう」
美結の家の玄関で、そのまま別れようとした。
――でも。
「美結」
玄関へ向かう美結の腕を捕まえて、その唇にキスをした。