ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
僕はそれだけで会話は終わりにするつもりだったんだけど、三人は動こうとしない。
なんだ?
僕が何も言わずにいると、一人が口を開いた。
「あのさ、碓氷くん。紗苗(さなえ)、今回のテストで三位だったんだ」
「? ああ、そうなんだ」
クラスメイトだから一応顔と名前は一致するけど、順位までは把握していなかった。
僕がそれだけ返すと、木崎紗苗(きざき さなえ)が一歩進み出た。
何故僕に近づく。
「み、美結ちゃんより上って初めてだったんだっ」
「………」
悪かったな。美結は今回、僕のせいで成績落としたんだよ。
「だから、その……ずっと、美結ちゃんより上になれたら言おうと思ってたんだけど……あたしじゃ……だめかな?」