ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「なにが?」
僕は機嫌の悪さが出ないように努めた。
出来るだけ、冷静に、平坦な声で。
「う、碓氷くんのライバル、あたしじゃだめかな……?」
……? 何を言っているんだ?
「あたし、美結ちゃんより、碓氷くんと――」
「は?」
美結より、という言葉を聞いて、冷静を装うのは不可能になった。
機嫌の悪さ全開、威圧するような口調で遮った。
え、と驚いたような声をあげる三人。
僕の前で美結を罵倒しておいて、ただですむと思っているのか?
「美結がなんだって? 俺の前で美結のことけなして、何がしたいの?」