ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「里宇ちゃん……剣部で正解だったね……!」
「傾国の美姫の名前がリアル過ぎる……!」
美結も東輝も驚いているんだけど、一番驚いてほしい小唄は全然話に乗ってこない。
「で、東輝も小唄も満足した? こいつ、たぶんうちに入学するから、四月になったら他の奴らにも自動的に知られると思うんだけど」
「俺は十分わかったけど……想、小唄はやべーだろ。里宇が男ってとこ聞いてたかわかんねーよ」
「だよなー……。予防のつもりで連れて来たけど、ここまでハマってくれるとは……」
「言ってる場合じゃねえよ。手遅れになりそうで怖―よ」
そうだなー、……仕方ない。
「里宇、いつもの」
「あーい」
「⁉ 里宇⁉」
いきなり脱ぎだした里宇を見て声を裏返させる東輝。
僕は小唄へ呼びかける。
「小唄―、起きろー。こいつは男だー」
「………へ? ……………………ええええええええっ⁉」
半裸になった里宇を見て、小唄が叫び声をあげた。