ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】


「里宇ちゃん……」

「小唄―。正気に戻れよー」

僕は何度目だろうか、小唄へ声をかける。

東輝と小唄の二人は駅へ、僕は美結を家へ送るためにうちを出た。

小唄は案の定の状態になっていた。

気の抜けたようにフラフラと歩く小唄。

僕は、それを呆れたように、可哀想なものを見るように、後ろを歩いている東輝に問いかける。

「小唄、大丈夫かな……?」

「大丈夫じゃねーよ。欠片も。友達の弟が美少女過ぎるってどういう展開だよこれ」

「小唄を被害者にしてしまった……」

「予防のつもりで連れて行ったんなら、予め言っといて。俺も里宇が男なんて思いもしなかったわ」

東輝に睨まれる。う……。

「ごめん……」

< 251 / 289 >

この作品をシェア

pagetop