ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
番外編 最悪の失恋
side紗苗
「ごめん、ちょっと一人にして……」
「あ………うん」
声をかけたそうな友達に言って、私は一人誰もいない場所を探して、人気のない階段の影に小さくなった。
……失恋をした。最悪な。
碓氷くんが美結ちゃんを好きなことを見ていればわかった。それでも告白をしたかった。
昨日のは、私のやり方もよくはなかったと思っている。美結ちゃんをけなすような言い方をしてしまった……。
碓氷くんを、怒らせてしまった。
「ふっ………」
今さっき、昨日の返事があって……ああ、トドメ刺された。
碓氷くんは美結ちゃん以外には、嫌われても全然問題ない人なんだ……。
美結ちゃんだけが、本当に特別なんだ……。
碓氷くんの瞳に少しでも映りたくて、勉強を頑張って成績をあげて……でもそんなの、全然意味がなかった。
……碓氷くんに、……美結ちゃんにも、嫌われちゃったかな……。
「あーあ。想の奴ぜってー後で後悔すんぞ」