ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「え? ……。あらあらあらあら! そういうこと⁉ よかったわね~美結。あんた、何回もバレンタイン失敗してたもんね~。初めて作ったのいつだっけ? 小三? 小二だっけ?」
へ?
「わああああああっ! お母さん寝惚けてるんだよ! 幻覚見てるんだよ! さ、さー行こうか想!」
美結が慌てた様子で門まで降りて来て、昨日とは反対に僕の腕を摑む。
「母さん? 美結? 大声出して何かあったか?」
「!!!!」
びくっと美結の両肩が跳ねた。あ、美結のお父さん。
「おはようございます」
僕が挨拶すると、おじさんは朗らかな笑みを見せたあと首を傾げた。
「おはよう想くん。ん? ……あ」