「ねぇ、シェアしない?」
えっ⁉︎
うそでしょ?
「優子、どうしたの?」
いつまでも呆然と下駄箱を見つめている私に、舞香が声を掛けてきた。
「あれ」と中を指差すと、舞香が四角いメッセージカードを取り出す。
久しぶりのカードだ。
中は写真だろうか?
ここ最近はずっとスマホに送られていたから、つい油断していた。
「中、確認しようか?」
「私は無理。舞香、見てくれる?」
「わかった」と頷き、封を開ける。中に指を入れた舞香は首を傾げ「なにも入ってないけど?」と逆さまにして振った。
ぱらぱら。
中から舞い落ちてきたのは__。
「いやっ!」
私たちは叫び声を上げて飛びのく。
「な、なにこれ⁉︎」
さすがの舞香も、真っ青な顔をしていた。
だって、私たちの足元に落ちているのは、髪の毛だ。
「誰の?ストーカーの?」
「でも__?」
それにしては、さらさらしている。
「行こう。気持ち悪い」
舞香に手を引かれ教室に入ったとき、私のスマホが鳴った。
立ち止まった私は、舞香に画面を見せる。
とりあえず席につき、2人で確認することにした。
ごくりと唾を飲み込み、届いたメッセージを再生すると__。
まず目に飛び込んできたのは、ハサミだった。
わずかなスマホの明かりが、そこがどこなのか浮かび上がらせる。
「優子、まさかここって__?」
そう、それは私の部屋だった。