「ねぇ、シェアしない?」


えっ⁉︎


うそでしょ?


「優子、どうしたの?」


いつまでも呆然と下駄箱を見つめている私に、舞香が声を掛けてきた。


「あれ」と中を指差すと、舞香が四角いメッセージカードを取り出す。


久しぶりのカードだ。


中は写真だろうか?


ここ最近はずっとスマホに送られていたから、つい油断していた。


「中、確認しようか?」


「私は無理。舞香、見てくれる?」


「わかった」と頷き、封を開ける。中に指を入れた舞香は首を傾げ「なにも入ってないけど?」と逆さまにして振った。


ぱらぱら。


中から舞い落ちてきたのは__。


「いやっ!」


私たちは叫び声を上げて飛びのく。


「な、なにこれ⁉︎」


さすがの舞香も、真っ青な顔をしていた。


だって、私たちの足元に落ちているのは、髪の毛だ。


「誰の?ストーカーの?」


「でも__?」


それにしては、さらさらしている。


「行こう。気持ち悪い」


舞香に手を引かれ教室に入ったとき、私のスマホが鳴った。


立ち止まった私は、舞香に画面を見せる。


とりあえず席につき、2人で確認することにした。


ごくりと唾を飲み込み、届いたメッセージを再生すると__。


まず目に飛び込んできたのは、ハサミだった。


わずかなスマホの明かりが、そこがどこなのか浮かび上がらせる。


「優子、まさかここって__?」


そう、それは私の部屋だった。


< 105 / 206 >

この作品をシェア

pagetop