「ねぇ、シェアしない?」
私は上靴も履かないまま、教室に飛び込んだ。
まだ舞香はいない。
一体、誰があんな__?
席に着いて、舞香が登校してくるのを待つ。私だけじゃ、どうにもならない。頼りになる舞香なら、なんとかしてくれるはずだ。
埋めたのを見られてたのか?
教室内を見回すと、みんなが私を見ているような気がした。
居たたまれない。
早く、早く舞香に来てほしい。
いつものように私を励まし、勇気づけ、抱きしめてほしい。
それだけで私は、心から安心できるから__。
メールをしてみようと、カバンに手を入れた。
前屈みになり、机と同じ目線になる。
入れた教科書に混ざって、ハガキのようなカードが突き出ていた。
土の次はカード?
決して良いもんじゃない。
見てはいけないものが書かれているはず。
それでも私は、カードに手を伸ばしていた。
舞香が来るのを待つこともできず、誰かが私の机に忍ばせたカードを手に取る。
土を盛った人物と同じか?
決定的ななにかが書かれている。
読めば、後戻りできないなにかが__。
私は、震える手でカードを裏返した。
大きな文字で5文字。
それだけで充分だ。