「ねぇ、シェアしない?」
達実の肩に両手を回し、舞香がしなだれかかっている。
2人とも裸というか、制服が中途半端に乱れていた
。
はっと目を見開いた達実。
でも舞香は__。
動揺することもなく、達実の肩に頭を傾けた。
なにかを私に問いかけるように首を傾げ、薄っすら微笑んだ。
「優子、どうしたの?」
と。
まだ慌てるならいい。叫び声を上げて、すぐに制服をたくし上げ、顔からは血の気が引き、涙を流して謝るなら、私も止まっていた思考が動き出しただろう。
それなのに舞香は乳房を隠そうともせずに、私を見ている。
睨んでいるのでもない。
いつもの、私を見守る優しい眼差しだ。
私の頭は、完全にパニックになっていた。
勝手にカーテンを開けたことが申し訳ないとさえ思わせる、舞香の揺るぎない態度。2人の邪魔をした私の方が悪いんじゃないかと__。
「ど、どうして?」
枯れ果てた声しか出なかった。
「こ、これは違うんだ」
1人で慌てふためく達実の反応は、どこか私をホッとさせる。
浮気をしたんだ。
きっと、あの誰にも言えない秘密を分かち合った辺りから、違う感情に流されたんだ。理由があることが、こんなにも安心するなんて__。
「ねぇ、どうして?」
私はさらに詰め寄る。
未だに首を傾げている、私の親友に。
しばらく見つめ合うと、ようやく舞香が頭を起こした。