「ねぇ、シェアしない?」
明美だったんだ。
土を下駄箱に入れたり、脅迫めいたメッセージを机に入れていたのは、この女だった。
達実のストーカーだった明美はあの日、達実をストーカーしていたのかもしれない。そこで、男を埋める私たちを目撃した__。
「達実は将来、有望なバスケ選手なんだ。それを変なことに巻き込んで、なにが彼女だよ」
明美は、本当に怒っているように見える。
それは私には分からない、同じスポーツを志すものにしか理解できないなにか。
「だから私が終わらせる。とっとと別れなさい」
「それで、達実と付き合う気?」
「そうよ。私なら達実を幸せにしてあげられる。なんでも守ってもらうあんたとは違うんだから」
ふんっ、と鼻を鳴らして馬鹿にする。
「もし、嫌だって言ったら?」
「はぁー?そんなこと言える立場?それでも嫌だって言うんなら、なにを埋めたか言うだけよ。遠かったから、いまいちよくわからないのよね?でも、人っぽかったけど?」
芝居がかった物言いに、私は確信した。
明美は、あれが死体だと気づいている。
このままじゃ、明美の言う通りにしなくちゃいけない。
それだけじゃなく、ずっと弱味を握られてしまう。
「どうするのよ?別れるの?それとも__」
どんっ。
突然、明美が視界から消えた。