「ねぇ、シェアしない?」
「まずは安奈。普通に殺してやっても良かったんだけど、それじゃあっさりしてるから。あの女には、じわじわ死んでほしかった。わざといじめられたのは、そのほうが盛り上がるでしょ?」
「それじゃ、優子と向井くんが付き合ってるのを安奈にバラしたのも?」
「もちろん、この私。優子の心に入り込むのにはいじめの被害者になる必要があったから」
汚い水を一緒に浴びたのも、今この時のため?
「担任の島谷は関係ないけど、いじめを見過ごすような奴は許せない。あのストーカーは、私が前に付き合ってた、どうしようもない奴。それを優子に引き合わせた、まさか殺すとは思わなかったけど」
小馬鹿にしたように笑う舞香。
私を励ましてくれた言葉、すべてが偽りだった。
「明美は、中学のときに夏美と同じバスケ部だった。そっちでもいじめられてたらしいから、当然の報いよ。それに、私たちの向井くんにつきまとってたし、子バエみたいにね」
『私たち』を強調する。
つい、切断されて死んでいる達実を見てしまった。
また胃がねじれるように痛む。
「私、本当はね、安奈をメインターゲットにするつもりだった。でも事前に調べたら、優子と向井くん、付き合ってるんだもん。振られた夏美をいじめに引きずり出しておいて、自分は隠れて付き合うなんて、なんて浅ましい女だと思った」
1番、許せないって。