「ねぇ、シェアしない?」
「行ってきます!」
私は元気に声をかけ、家を出た。
真新しい制服が気持ち良くて、気分新たに高校生活に臨める。
あれから数日後。
たったの数日後。
私はもう、新しい高校に転入することが決まった。
いくら事件が解決したとはいえ、これまでの高校には通えない。
無くしたものが多いし、少なからず私が関わっているとなれば、平穏に学校生活を送るのは難しい。
そんな配慮からか、新しい高校に向かう。
しかも、名門だ。
編入試験も行われず、面接すらない。
普通に受験しても合格するのは厳しいだろう。
それを、こうもすんなりと__。
改めて私は、舞香の力の大きさを知った。
事件だって、綻(ほころ)びが多いのに、強引に犯人に仕立て上げて、私は被害者となったんだ。
敵に回せば、私なんて簡単に潰される。
でも__味方にすればこれほど心強いものはない。
少し緊張しつつ、新しいクラスに向かう。
転校生は、いじめのターゲットになりやすい。
先生に促され、どきどきしながら自己紹介をして席につく。
「よろしく」
私は隣の席の女子に、笑顔で挨拶をした。
「よろしくね」と言って、その女子はプリントを見せてくれた。