「ねぇ、シェアしない?」


えっ__?


冗談、でしょ?


「片方でいいけど、バランス悪いから両足にする?」


安奈の前に膝をついた舞香が、私を振り返る。


私が何も言葉を返せないでいると、足の具合を確かめるように触れ、当然、安奈が絶叫する。


「黙って。じゃないと、舌を引っこ抜くよ?」


とても冗談に聞こえないのは、安奈も同じなのか悲鳴を飲み込んで口を閉ざした。


「ま、舞香?もう、よくない?たぶん、安奈ももういじめないと思うけど?」


私がそう言うと、安奈は何度も何度も頷いた。


目から涙、鼻から鼻水、口からはよだれを流し、無様な姿を見せている安奈はきっと、もう私たちには手を出さないだろう。


これだけ脅したから充分じゃ__?


「優子は名前の通りで、優しいね。でもそれじゃダメなんだよ。2度と立ち上がれないようにしなきゃ」


「でも、足を切るなんてさすがに冗談でしょ?」


そう尋ねると、舞香はすこし驚いた顔をした。


まさか、本気だったの?


「まぁ、掃除が大変だからね。じゃ、なにか他の手を考えようか。私たちに2度と手を出せないような、弱味を握る、か」


思いついたと呟いた舞香は、おもむろに安奈に近づくと、制服を引きちぎった。


下着があらわになる。


そして、スマホで撮影し出したんだ。


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