「ねぇ、シェアしない?」
自らブラを取り去り、机を押しのけて叫び声を上げる舞香。
「な、なにしてるんだ⁉︎おい、なにをっ!」
島谷が、暴れ倒す舞香の腕を引っつかむ。
「は、離して!殺される‼︎」
「黙れ!黙るんだ!」
「きゃあああああー‼︎」
髪を振り乱して叫び倒す舞香を、私はスマホ越しに撮影していた。
本当に舞香が襲われている錯覚に陥る。
それくらい、親友の演技は真に迫っていて__。
「おい!開けるんだ!」
外からドアを叩く音がした。
騒ぎを聞きつけて、先生たちがやってきたんだ。
「優子、開けて」
冷静な舞香に指示され、私は慌ててドアを開けた。
その瞬間。
「やめてぇえええー‼︎」
泣き叫ぶ舞香が、呆然と立ち尽くしている島谷に抱きつく。
それは、島谷が生徒を襲っているようにしか見えず__。
「し、島谷先生、なにをしてるんですか⁉︎」
中に飛び込んできた先生たちが、島谷を取り押さえる。
「お、俺は何もしてない!あいつが勝手に!」
島谷が、泣きじゃくっている舞香を指差すけど、誰も聞く耳を持たない。
そのまま連れ出されていった。
「舞香、大丈夫⁉︎」
「優子!」
泣いて私にしがみついてくる舞香の、震えた肩をしっかりと抱きしめる。
でも、私は知っていた。
ううん、私だけは知っていたんだ。