「ねぇ、シェアしない?」


「おはよう、優子」


「あっ、おはよう」


校門の前で、ちょうど舞香と一緒になった。


2人で靴を履き替える__?


ん?


なにこれ?


「やだ、ラブレターじゃん。優子、モテまくり」


「えー、私こんなの貰ったことないよ?」


四角い、メッセージカードだろうか?


「向井くんに少しはヤキモチやかせたら?」


舞香に肘で小突かれつつ、中身を確認することにした。


もしラブレターなら、ちょっと嬉しいかも。


なんてね。


どきどきしつつ、中身を取り出す。


写真?


「あれ、優子じゃん」


舞香が覗き込んでくる。


それは、私が写っている写真だった。でも、かなり遠目だ。それくらい離れたところから撮ってあって、写真を裏返してみた。


【いつも見ています】


「えっ、ちょっとやだな」


「それだけ?誰かも分からないの?」


「うん、どこにも書いてない」


「でも、優子のファンであることは確かじゃない?密かに思われてるんだよ」


「うーん」


素直に喜べない。


密かに思うなら、密かでいいんじゃないの?


接触してきたということは、もう密かじゃないんだし、存在を知らしめようとしてるみたいで__。


なんだか、気味が悪かった。


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