「ねぇ、シェアしない?」
下駄箱からスマホに変わった。
それから、1日1枚の写真が送られてくる。
下駄箱の時とは違って、私の顔はとても鮮明に写っていた__。
「そもそも、なんで優子のアドレス知ってんの?てことだよね」
「拒否っても、またデタラメなアドレスで送ってくるし」
「誰がアドレス知ってるの?」
「このクラスの女子なら、結構アドレス交換してる」
「じゃ、変えなよ。それで犯人を絞れるし、犯人のほうが分からなかったら、防げるし。一石二鳥でしょ?」
「そうだよね」
あまり気乗りしないのは、達実に説明しなくちゃいけないからだ。
でも、そんなこと言ってる場合じゃない。
なぜなら__。
今日、送られてきた写真を見る。
お母さんに買い物を頼まれて、スーパーに行ったときの写真だ。それまでは、ボヤけていたり、ピントがズレていたりと、距離が遠かった。
それなのにこれは__お肉を手に取る私の横顔が、アップで写っている。
これをカゴに入れたとき、ストーカーは真横にいたんだ。
考えただけでぞっとする。
つまり、ストーカーはだんだん私に近づいてきてるんだ。
だから私はアドレスを変えることにした。
親身に相談に乗ってくれた舞香と、達実にだけ知らせておく。
これでストーカーをシャットアウトできるはず。
肩にのしかかっていた重いものが、ようやく取れた気がした。