喪失姫と眠り王子
記憶を探せ!
決断
「ねー、心音。さっきの集団って」
「うん。多分キキと仲良かったあやかし達だよね」
「うん。確か……鬼虎組だ!あの強くて有名な!」
鬼虎組。
鬼輝が作った組であり、人間界で言うと鬼輝は組長だったらしい。
その組には3人は入っておらず、噂程度しか知らない。
色々なことがあった中、最後の夜を迎えた。
みんなが寝静まる頃、鬼輝は1人縁側にでて、満月の月を眺めた。
吹く風は肌寒く身震いがする。
すると突然、激しい頭痛に襲われた。
「うっ!いった……」
痛さのあまり強く目を瞑ると、自分ではない自分が映っていた。
『早く思い出すのだ。出ないとあの国は無くなる。』
「あなたは誰?」
『妾は、お主だ。これ以上は呪いて言えないが、早く行動に移すのだ。出なければお前が守ったものは次は守れない、』
「どういうこと?あっ、ちょっと待って!」
言葉を聞かず、もう一人の自分は闇に消えていった。
頭痛も治り、元の世界が戻ってくる。
「守るって、誰を?」
その時鬼輝は、記憶を取り戻すことをけつだんした。