喪失姫と眠り王子







それから1ヶ月後。







毎日が仕事の日々でなんの進展もない。









鬼輝は王の仕事も行い、心身ともにボロボロに近づいている。











「王さま。少しお休みください」










「これが終わったら休む」









「いえ、今お休みください」








「無理」









「王さま……」











使用人達は裏ですごく鬼輝のことを心配している。








香りの良いお茶を上げても、一気飲み。








マッサージ師を呼んでも10分足らずで終わらせるし。









「どうしたらいいのかな」








「わかんない。」








「もう出来ることないんじゃない?私たちの立場で口出しすること出来ないし」






「まーね、ほかの王に比べてしてる方だと思うけど」








「……じゃぁさ、鬼虎組呼べば?」








「「!!それいいかも!」」















トントントン、鬼輝のへやのドアをノックする音が部屋に響く。








忙しいのに誰?










「なんだ」







「お客様です」








客?そんな予定無かったけど……。










「そんな予定無かったけど。今忙しいからまた今度にして」








「……えっと」










「モー何」













「そんな言い方しないで……」








「紗夜!?なんで!」








「なんでって、キキが最近休んでないって聞いたからきた。」










「誰が?ってあなた達が?」









照れくさそうに使用人達は部屋から出ていった。







ん?それならほかの4人もくるはずだけど?











「ほかの4人は……呼んでない」








「なんで?」









「だって取られるから」









「ふっ可愛いね、紗夜は」








「可愛くない」











使用人の作戦は大成功。






それからは、ちゃんと休みを取るようになった。











しっかりしなきゃ。




< 26 / 34 >

この作品をシェア

pagetop