あなたを好きだった頃、
あなたを見つけたのはそんな時だった。
ちょうど体育祭の閉会式に並び出した頃。
たまたま横を向いたんだ。そしたら6組あたりに楽しそうに何かで笑ってる男子のグループがいたの。その中に凄く楽しそうに笑う男の子を見つけた。
その瞬間私は思わず何も知らない顔をして下を向いてしまった。5月なのに体育祭の日ってなんであんなに夏みたいなんだろうね?太陽の痛いくらいの日差しが私にぶつかって、まだ春の匂いが残る風が私のポニーテールを揺らした。その風がなんだかこそばくて、寒い時みたいに体が中心にきゅっと縮こまるから。
恥ずかしい、そう思った。
私が今見ていた事本人にバレてたらどうしようって考えるとドキドキした。変な顔してなかったかな?前髪崩れてなかったかな?私に気づいたかな?考え出すと止まらなくなって、そのまま前が見られなかった。止まって欲しいのに止まってくれないこの感情はなんなんだろう。