たとえ叶わない恋でも。


「……っはぁ…はぁ…お、おはようございます」


「うん、おはよう上川(かみかわ)。あと1分遅かったら遅刻扱いになってたからな」


結局、あれから全力疾走しても予鈴には間に合わず、本鈴が鳴る1分前に着いた。


「はぁい…これから気をつけまーす…」


教室の前から、自分の席に移動する。

その前に、先に着いた智希にあっかんべーっと舌を出した。


私より数分前に着いて、涼しい顔して座っているのがどうも気にくわないのだ。


すると、私が睨んでいるのに気づいたのか伏せていた目をこっちに向ける。


それにもう一度、あっかんべーをしてやると、
ふっと笑って机に顔を伏せた。




< 3 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop