たとえ叶わない恋でも。


「ほんと仲良いよね〜智希くんと!え、もしかして瑞稀、智希くんのこと好きなの?」


ホームルーム中、後ろの席に座る私の親友、瑠衣(るい)が私に話しかけてきた。


「そんなんじゃないよ〜、智希のこと、そんな風に見たことないもん!」


顔の前で手を振って、ないないと笑いながら否定する。


すると「え〜っ!」と不満そうに口を尖らせていたけど、「まぁいいや」って言って、頬杖をついた。


私は苦笑しながら窓の外を見ると、校門を一人の男子生徒が走ってくぐっているのを見つけた。


瞬間、私の心臓が高鳴る。





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