たとえ叶わない恋でも。




「みーずき!帰ろっ!」


全ての授業を受け終え、今は放課後。


筆箱やノートなどをカバンに詰めて帰る準備をしていると、後ろから瑠衣の元気な声が耳に響いた。


「うん、帰ろ」


カバンを持ち上げ、昇降口に向かう。


「……でね、汰一ったら私に対してすごい生意気な態度取るの!汰一のくせに!

瑞稀はどう思う?」


「えっ……うーん…汰一くん良い子だと思うよ?」


汰一っていうのは瑠衣の3歳年下の弟のこと。

汰一くんも瑠衣もなんだかんだで仲がいい兄弟なんだ。




「えー?まぁ汰一だからね…良い子だよ?そりゃ、人前では」




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