たとえ叶わない恋でも。


「そんなことないよ、汰一くんいつも瑠衣のこと思ってくれてるじゃん。いいなぁ…私もそういう弟が欲しい。」


一人っ子の私は、お兄ちゃんとかお姉ちゃんとか、兄弟が欲しかった。


私の家は共働きで昔から私一人、だれか遊んでくれる人いないかなって思っても誰もいなくて。


すごく寂しい想いをしたのを覚えている。



「……き、瑞稀!」


いきなり肩をグッと掴んだかと思ったら、私の体を反転させる。



私の肩を掴んだ主は、智希で「図書委員はいいのか」と聞いてきた。



< 8 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop